矯正治療とは
矯正治療の目的は、お口の見た目をよくするだけではありません。歯並びやかみ合わせを整えて噛む・話すといった口腔機能を向上させ、むし歯や歯周病、顎関節症などの予防にもつながります。特にお子さんの場合は、顎や身体、脳のすこやかな発育のためにも、不正咬合を早期に治療することが大切です。
当院では、月に2~3回、矯正治療を専門的に行う歯科医師による診療をしております。お子さんに限らず、成人の方も治療を受けていただくことができますのでご興味ある方はお気軽にご相談ください。
矯正治療の流れ
ご紹介します。

初診(カウンセリング)
ご説明の際には撮影した口腔内写真や模型をお見せするなど、視覚的に理解しやすいよう心がけていますが、ご不明点があれば遠慮なくお尋ねください。
説明を聞いた上で、治療に進むかどうかをご自宅にてじっくりとご検討いただけます。

精密検査
頭部全体の骨格バランスがわかる、矯正治療専用のセファログラムレントゲンの撮影、検査模型用の歯型取り、口の中や顔の写真撮影などの検査を行います。

治療計画の立案・ご説明
患者さんがご納得できるまで丁寧に説明いたしますので、ご不明点があればどんなことでもご質問ください。

治療開始
矯正装置を歯に装着したら、定期的に通院していただき、経過観察や矯正装置の調整などを行います。
治療中にむし歯や歯周病が見つかった場合も、当院にて治療や歯磨き指導を受けていただけます。

保定・定期メンテナンス
歯が安定したことを確認できたら治療終了です。この後も1年に1度のメンテナンスを継続し、美しく健康な歯を維持していきましょう。
こどもの矯正
顎の成長を利用できるため
身体的・経済的な負担を軽減しやすい
不正咬合の多くが、歯の大きさに対して顎が小さすぎるといった歯と顎のアンバランスによって引き起こされます。成人矯正ではこのような場合、やむを得ず永久歯を抜くケースが多いのですが、小児矯正では適切な時期に治療を行うことにより、お子さんの顎の成長を促して、なるべく永久歯を抜かずに歯並びが整うように誘導していきます。そのためお子さんの身体的な負担が少なく、治療にかかる期間や費用も軽減しやすいことがメリットです。
お子さんの歯並びやかみ合わせで気になることがあれば、5〜6歳頃に一度ご相談されることをおすすめします。
不正咬合の種類
出っ歯

上の前歯が下の前歯よりも大きく前に出ている状態です。口を閉じると口周りが盛り上がってしまう見た目の問題だけでなく、口が乾燥しやすいためむし歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。
受け口

上の前歯よりも下の前歯が前になるかみ合わせで、反対咬合とも呼ばれます。うまく食べ物がかみ切れなかったり、滑舌が悪くなる歯並びです。成人すると治療が大がかりになることもあるので、特に早期治療をおすすめします。
でこぼこ・ガタガタ

歯と歯が重なっているなど歯の向きがそろっていない状態で、「八重歯」もその1つです。歯ブラシが届きにくく、むし歯や歯周病・口臭のリスクが高まります。またかみ合わせの悪さから、顎や胃腸に負担がかかりやすくなります。
オープンバイト

奥歯をかみ合わせた時に上下の前歯にすき間ができてしまう状態で、長期間の指しゃぶりなどが原因になります。前歯がかみ合わず食べ物をかみ切れない、発音が不明瞭になりやすいなどの問題があります。
クロスバイト

下の歯が上の歯よりも一部だけ外側になり、かみ合わせが交差している状態です。片側噛みになりやすく、顔の歪みや顎関節症のリスクが高まります。お子さんの場合は、顎の成長異常を引き起こすこともあります。
すきっ歯

歯と歯の間にすき間がある状態です。主に顎の骨の大きさに対して歯が小さく生えてしまうことや歯数の不足が原因です。すき間に汚れが溜まりやすく、むし歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。また息が漏れるため、発音が不明瞭になることもあります。
大人の矯正
ライフスタイルに合わせた矯正治療
矯正治療は基本的に何歳からでも始めることができます。子どもの頃に矯正治療を受ける機会のなかった方、仕事柄お口元の印象をよくしたい方、長年のコンプレックスを解消したい方など、30代・40代・50代以上の方も多く受けられています。
歯並びやかみ合わせが整うことで、むし歯や歯周病、顎関節症などの予防につながり、姿勢がよくなって頭痛や肩こりが改善するケースもあります。
当院では一般的なワイヤー矯正をはじめ、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)もご用意しておりますので、見た目が気になる方もお気軽にご相談ください。お仕事やライフスタイルを考慮し、患者さんにとって最善と思われる治療法をご提案いたします。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
矯正治療の
リスクについて
矯正装置に汚れが溜まるなどして、むし歯や歯周病のリスクが高まります。そのため丁寧な歯磨きと歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。
矯正装置による不快感や痛みが生じることがあります。個人差がありますが、多くの方が数日~1週間程度で慣れるようです。
装置の使用方法を守らない、歯磨きが不十分、定期的な通院を忘れるといった患者さんは、治療期間が長引いたり、十分な治療結果を得られなかったりする可能性があります。
歯に力を加えることで歯の根が短くなったり、歯ぐきが下がったりすることがあります。
ごく稀に、歯が骨と癒着して動かなかったり、歯を動かすことで神経が障害を受けたり、顎関節の症状が出たりして、治療を継続できない場合があります。
歯の動き方には個人差があるため、治療期間が延長される可能性があります。
保定期間中は、保定装置を歯科医師の指示通りに使用しないと後戻りしやすくなります。また、加齢や歯周病によってかみ合わせや歯並びが変化することがあります。
